信頼でよみがえる復刻台本。
Organization株式会社講談社
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株式会社講談社
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株式会社講談社
講談社にて、広告営業、雑誌編集など、幅広い領域を経験。子ども向け雑誌『テレビマガジン』にも携わり、特撮作品に関する企画・編集にも長年関わる。2025年まで講談社と再雇用契約を結び、特撮関連の出版企画などに取り組んできた。
かつて多くの子どもたちを夢中にさせてきた特撮作品。その魅力を、いま改めて本という形で届ける講談社のムックシリーズ。その特典として制作されたのが、今回の復刻台本です。
もとになったのは、約60年前に使われていた一冊の台本。しかも、ただの台本ではありません。撮影現場でスクリプターを務めていた方の書き込みや貼り込みが数多く残された、世界に一冊しかない貴重なものでした。
「単純に台本の表紙だけを使ったノートのようなものではなく、当時の空気感まで伝わるものにしたかったんです」と高田さん。ページの端まで書き込まれたメモ、色あせた紙、テープの跡、貼り込まれた資料。そこには、作品がどのようにつくられていったのかを感じさせる、たくさんの痕跡が残されていました。
「今回は、体裁のいい“ボロい台本”をつくりたかったんです」と高田さんは笑います。きれいに整えすぎても違う。けれど、読めなければ意味がない。古さを残しながら、読み物としても成立させる。その難しい依頼を相談した相手が、当社の営業担当である北村でした。
高田さんと北村の付き合いは、今回が初めてではありません。以前から書籍の店頭広告の印刷などを通じて、何度も一緒に仕事をしてきました。
「正直、かなり無茶なお願いもしてきました。ひどい時には、締め切りが明日というようなこともあって(笑)。でも、そういう長年の関係性があったからこそ、この復刻台本も北村さんが無理だと言うなら、どこに頼んでも無理だろうなと思っていました」と高田さんは振り返ります。
そう、今回も、まさに難題の連続でした。まず、原本そのものが貴重な一点物。劣化も進んでいるため、スキャンするだけでも細心の注意が必要です。貼り込まれたパーツを一度外し、スキャンし、元の状態に戻す。さらにデータ化した後も、色味、位置、判読性、紙質など、一つひとつを確認しながら調整していきました。台本らしい古びた質感を残すために、どの汚れを残し、どの汚れを整えるのか。端まで書かれた文字を切らさないために、どこまで位置を攻められるのか。貼り込みパーツをすべて再現するとコストが合わないため、どのような形で読者の手元に届けるのか。最善の方法を一つひとつ模索していきました。
高田さんはその過程を「こちらは、やりたいことを言うだけでした(笑)。でも、それを受け止めて、どう形にするかを一緒に考えてくれる。そういう相手がいること自体が本当にありがたかったですね」とおっしゃってくださいました。世界に一冊しかない台本を預けてくださる、その信頼に私たちもただただ応えたかったのです。
完成した復刻台本を手にした時、高田さんは意外と淡々とした気持ちだったと言います。というのも、完成に至るまで何度も何度も打ち合わせし、常に一緒につくっていったから。北村も喜びというより、安堵感が大きかったと話します。「とはいえ、ファンが高いお金を払ってでも欲しがるものができたのでは」とその出来栄えに大きな手応えを感じたそうです。
「昔からその作品を見てきた方にとっては、この復刻台本と照らし合わせながら、もう一度作品を楽しめるものになったと思います。若い人にとっても、当時の特撮がどのようにつくられていたのかを知るきっかけになるかもしれません」と高田さん。関係者の方からも喜びの声が届き、作品の舞台となった地域での展開の可能性も生まれているそうです。
最後に、当社との関係について尋ねると、高田さんは「千代田オフセットさんは、無理なことも、まず言ってみることができる相手。だめならだめでしょうがないと思えるパートナーですね」と話してくれました。
高田さん、今回は貴重なお話をありがとうございました。当社も今回の復刻台本づくりを通して、紙で記録を残すことの意味、そして信頼関係から生まれるものづくりの面白さを改めて学ばせていただきました。今後とも、どうぞ、よろしくお願いします。